オトメン(乙男)

先日息子が声変わりをした低い声で「ママ〜、選ばれたよ〜。」と嬉しそうに学校から持って帰ってきたクッション。
 
家庭科で使い古しの布を使ってクッションやバッグをつくる授業があり、息子は私がつくってもう穿けなくなったズボンをリユースしてクッションをつくったようです。次の日までに仕上げて持っていかねばならず、フェルトのパッチワークの残りをしていたのですが、その姿がおもしろいっ。あぐらをかいて口笛を吹きながら楽しそうに縫っているのです。思わず「あなた、ひょっとしてオトメン?そういえばオトメンの主人公は剣道やってたわ。」なんて思いました。

でもよく見ると、針目も揃っていてなかなか上手。「ここはこうすれば?」の一言を口に出しそうになるのをぐっと抑え、見守りました。子どもには「子どもが自由に考えてつくることができる」という権利があります。
私が手仕事好きなこともあり、子どもたちは小さいころから針を使っていました。男も女も関係ありません。自分で体験して、自分がやり易い方法をあみ出していく事は「知恵」となります。ただの縫物であっても、その「知恵」が大きいものに繋がる可能性だってあると思います。生きていくうえで「知恵」はとても大切なもの。「おばあちゃんの知識袋」とは言わず、「おばあちゃんの知恵袋」というのも納得できます。
クッションは君津地方技術・家庭科作品展に出展されるようです。でも私がうれしかったのは、私がつくったズボンを使ってくれたこと。パッチワークの意味は「春夏秋冬」。一年を通してこのクッションを大事に使いたいという息子の気持ちを感じ取れたことでした。